• 日常

３６５日～食堂で味わう孤独感～

2020.04.13

留学旅行や遠足で耳にする

“点呼”

自由時間のその後に戻って来たかの確認をする

そう認識していた１５年

違う使い方もあるのかと気づかされた生まれてから１６年目の春

自由時間なんて微塵もない寮生活とグランドの往復の中

夕飯の後に始まる

NEW点呼

神がいなくなったその空間に漂う重たい空気

点呼当番なる方の『点呼』の掛け声で動く

パイプ椅子

整列と回転の速さは集団行動一級品

練習が終わってから自問自答しながらこの時間を迎える１年が殆どだ

ミスはなかったか

アピールは出来ていたか

起床してからの

朝掃除、朝食、学校生活、寮での支度、練習中・・・

落ち度はなかったかと振り返る

『何かある人～』

その言葉の後に期待する

『今日はなし』

の一言は宝くじより低確率

情報共有はどこなのか

問い詰め方の連動性

アイコンタクトとキラーパス

フィニッシューワークもクリロナレベル

たとえオフサイドだとしてもオンプレーのアウェー感

そりゃそうだ

審判なんて存在しない

ワンサイドゲームのサンドバック

薄れゆく記憶の中で

聞こえてきた言葉・・・・

『やってんのか、やれてねーのかは俺たちが決める』

・・・・

・・・・

これまさに正論である

評価は人がするものだ

自己評価はもちろんあってしかるべきだが

世に出れば全て評価は人がする

声が出てないと言われれば

出していた証拠なんてあるはずもなく

なめてんだろ？

って言われれば

なめれるわけないのに

なめてない証拠はあるわけない

頑張ってるか

頑張ってないかは人が決めるんだ

この寮生活で垣間見た社会に出てからの怖さと孤独さ

理不尽と矛盾

残念ながらその経験を若くして出来たことが良かったと思えるのはしばらく先の話しである

数名の犠牲者を出し

終わりゆく点呼

食堂に残った１年達の何とも言えない空気感

ライバルたちから優しい言葉がかかる事も

数週間までジャイアンだった奴がそれを望むこともなく

ただただ悲壮感と絶望感がながれるその空間

その後、持ち場の掃除場へ散り

洗濯機争奪編へと舞台は移る

スタイリスト 大塚