365日~夏を迎えるその前に~
2020.04.22
1日の仕事とその流れ
“当番”とい責務
“連帯責任”という重圧
○○先輩という呼び方は○○さんへと変化して
僕は私ははたまた俺は
自分という表現に変わって表す
慣れるまでにいささか時間は要するものの
受け入れる覚悟さえ整えば
地元じゃ有名ヤンチャな子
負けや逃げには敏感で
失うモノを知ってます
とは言え15で知る地獄
25から5が消えて
夏の前には20人
自分は12期生にあたり
既に先輩方は夏の甲子園で準優勝経験があり
指揮官は全国トップクラス名将で
個性的なキャラクター
優勝経験もありのそろい踏み
そして自分が入る時には4季連続甲子園出場中
しかもその間
準優勝1回、ベスト4が1回
東の横綱と謳われた猛者たちが作り上げた時は第一次黄金期
PL学園、近大付属、智辯和歌山ら西の強者との熱戦を
テレビで見ていた誰しもが
あのユニホームを着たいと思った中学時代
だから辞めるわけにも逃げるわけにもいかなかったあの当時
洗脳に近かった甲子園で活躍する先輩方
自分達も続くんだと
思い描いた入学前
いよいよ最初の大会だ
甲子園帰りの先輩方
土日はファンでグランドが
寮に届くファンレター
箱一杯に山積みで仕分けをするのが重労働
雑誌の表紙とメディアの取材
試合に行けばバスが囲まれ一大事
写ルンですを片手に持った
高校ファンという名の女子が
メンバーバスに仕込まれた
メンバーダミーの1年生
目深にかぶった帽子越し
舌打ちされて傷ついて
顔を見上げてお前にか!
ダブルで傷つくその後ろ
ホンモノさんの登場です
春の大会超満員
試合終盤さしかかり
1番出てくりゃ大歓声
テレビの向こうのスター達
地元凱旋大人気
当然の如く勝ち進み
気づけば富士の麓の山梨で
名門校が大集合
ここでも当然勝ち進み
関東大会優勝です
だって全国2位ですもん
勝って当然その中で
5季連続も当たり前
そんな学校新1年
別動隊で遠征中
同じエリアの学校と
試合をしていく新入りに
なんだお前らなめてんの?
俺たち相手は1年か
無駄に相手を怒らせる
負けるわけにはいかなくて
エンジを纏う使命感
神は自分のとこだけで
他校に神などいるわけない
タメ語、文句も恐くない
だって俺たち元ジャイアン
ちょっと前まで年齢なんて関係ねぇ
俺はジャイアン、ガキ大将
ここでストレス発散じゃ
とアピールしながら夏を待つ
寮に戻れば神がいて
奴隷に戻る現実を
今だけ忘れていいじゃない
そんな中近づく夏予選
試合は殆どメイン球場
片道1時間のバス移動
このバス移動の中に
また独自の法があり
つまりはいくたのエピソードを生む
憧れの高校に入学し
初めて迎える夏本番
メンバー発表も近づき
寮生活にも慣れてきた
・・・・
慣れてきた
・・・・
慣れてきた
故に
起こる事
・・・油断
・・・ミス
・・・地獄
時は入学から3ヶ月が過ぎようとしていた
365日真夏編は間もなくスタート