それぞれの高校野球
2017.08.17
熱戦が繰り広げられる甲子園
トーナメントだからこその
1戦必勝だからこその
ドラマと感動がそこにあって
甲子園というステージを目指す3年間の総決算だからこそ
笑顔と涙が入り混じってそのバックボーンが太ければ太いほど
濃密であれば濃密であるほどそこまでのストーリーは宝物になるに違いない
15歳の時、いわゆる野球名門校への進学が決まり
入学するタイミグで開催されていた春の選抜甲子園では準優勝
3年生はスーパースターだった高校野球のスタート
甲子園での上位進出を義務付けられ
高校球界の名将が指揮をふるい
室内練習場と寮生活という野球漬けの環境
集まるのは全国からの野球エリート達
この3年間は人生の中で人間としての基礎をBASEを作ってくれた場所と時間だった
寮生活は上下関係に厳しく、指導も今では考えられないハードなものだった
中学までのそれとは違い
○○先輩から○○さんと呼ぶようになり
○○っすか、○○ですよね
なんて言葉を発することは地獄への入り口を意味した
“俺は” “僕は”という表現は
“自分は”という自己表現に変わり
“いいえ”“違います”という言葉は消えた
1年間、365日
高校1年のこの時間は永遠に感じた
中学まではみんなジャイアンみたいなもんで
野球は出来た、立場も強い、上の学年だって関係ない
みたいな集まりが
寮生活という檻の中に入ると
言い返すことも、やり返すことも出来ない状態、状況になる
掃除当番、食事当番、先輩の身の回りのお世話
上からは抑えつけられ
同期はライバルだらけ
ストレスは同期へ向けられて入学したてはぶつかる事ばかり
その環境の中でどう生き残っていくか
神様の3年生
恐怖の2年生
地獄のような365日
でも、なんでだろう
今、あの時の仲間が集まってもその想い出は笑い話になる
恨むことも、リベンジする事もなく
あの経験があったから今がある
皆がそう思える
期待されながら、甲子園で活躍する事は出来なかった僕らの世代
でもあの時間で学んだことは貴重だったし、必要な時間だったのかもしれない
不自由な時間を過ごすことで
自由の大切さと意味を知った
理不尽な指導を受ける事もあったが
抑えつけらえる事で人生はままならない事を知った
共同生活をする事で、痛み、辛さを分かち合う事で
仲間の大切さを知った
掃除当番、食事当番、先輩のお世話をさせてもらう事で
母親の凄さを知った
あの時間、そこでの出逢い、そしてそこでの指導
僕には必要だった事で、今があるのもあの時があったから
そこを生き抜いた、やりきった事が僕のBASEになっている
さてさて、今年の夏も少し
甲子園も間もなくベスト16
無敗のまま終われるチームは1つだけだけど
1試合1試合
1プレー1プレー
悔いなく最高の想い出にしてほしい
その時間は今しかないのだから