365日~運命の分かれ道~
2020.04.04
中学卒業式翌日からの2週間
野球を引退してから伸ばして出来上がったハリネズミのような頭を
あえて床屋で綺麗に刈り込み
野球部のくせにスタイリッシュなバスケに憧れ集めたジョーダンⅦをはじめとしたNBAグッズを実家におき
お洒落を気取る為につけ続けたUNOの化粧水と乳液を捨て
同じ学年の子が世界一になった時のセリフを甲子園で言おうと決めた中2の夏は遥か昔
間もなく高校の入学式がやってくる
つかの間の帰宅で感じた天国も後々考えるとその後のギャップを生んでしまう事になる
入学式後の練習参加、グランドで感じる空気感は春休みに感じたものとは程遠かった
もちろんそこには甲子園で活躍した先輩方の姿もある
その練習を観に来ているギャラリーの数も半端じゃなかったし報道陣の数も多かった
甲子園の注目度、全国レベルの強豪校
想像していたモノよりも何か大きなモノを感じたのは事実
でも、それだけの事じゃない・・・何か違う・・・
そして迎えた・・・夜
食堂で行われた2年生、1年生のミーティング
春休みまでの雰囲気風貌ではない2年生達、ラオウしか出せないはずの魔闘気がそこにはあった
目つき、装い、言葉の語尾・・・そこにはちょっと前までの優しいお兄さんは存在しなかった
これからのグランド、寮生活の説明をして頂き、もちろんその言葉からはしっかりどっしり魔闘気が・・・
そんな中、365日を生き抜く為に最も大切な“当番”が決まっていく
そう、1年生には幾つか当番がある
グランド内とは別に
寮生活をしていく上でこの“当番”は今後この寮を生きていく上で、365日をクリアする上で大きなウエイトをしめてくる
とりわけ割り当てられる、掃除当番、飯当番、ゴルフ場当番はコンビやユニットで
室内練習場当番、電話当番は同部屋がペアになって順番に回ってくる仕組みだった
一方、ランダムで飛び出すマック当番、すき屋当番なる甲賀や伊賀を凌駕する隠密忍者部隊も任命される
そのミッション遂行は成功=当然、失敗=連帯責任⇒地獄へ真っ逆さま
つまりコンビやペア、ユニットは運命共同体になる
僕がいただいた当番は【旧館風呂掃除】と飯当番【2班】ときどき【マック当番】というものだった
当時、寮は新館と旧館に分かれていて、言葉で的には新館が良さそうな響きだが
旧館の方が各部屋も施設も過ごしやすく、つまりはそこに強者が集うというわけだ
1年生に割り当てられるのは新館の4人部屋
2段ベッドが2つと一応勉強するための机が4つ
部屋は入寮した順に詰め込まれるランダムに指定される
1年部屋は当然並びではなく、先輩方の部屋3つに対して1部屋というエリア分けに配置される
なぜなら・・・・・そう、そういう事である
この2つ
当番と部屋割&部屋位置
ランダムに決められ、まだお互いの人間性がわからないなかでの運命共同体結成
これが後に数々のエピソード、伝説、奇跡を生むことになる
さぁ、いよいよ高校生活、いや寮生活のスタートである